裏バイト:逃亡禁止のネタバレ考察！難解なストーリーをあらすじを含めて紹介！

黒嶺ユメと白浜和美の2人が高額報酬を獲得できる裏バイトに潜入する中で、命の危険にさらされながらも何とか身を守る様子を描くオカルトホラーの裏バイト:逃亡禁止。

裏バイト:逃亡禁止は作品の解釈は読者に任せるという特徴があるため、ストーリーが複雑になればなるほど意味が分からないと感じる方も多いですよね。

そこで、今回の記事では裏バイト:逃亡禁止の難解なストーリーのあらすじや考察について紹介していきます。

※この記事は原作漫画のネタバレを含むのでご注意ください。

【裏バイト:逃亡禁止】難解なストーリーのあらすじを紹介

まずは、個人的に理解するのが難しいと感じたストーリーのあらすじを紹介していきます。

空き地探し（4巻）

裏バイトの内容は指定の区域から空き地を探して写真を撮影するという単純なものですが、目立たないように徒歩で移動するように伝えられます。

ユメと和美の2人は土地勘のある高階と裏バイト経験がある崎村と行動する中で、巨大な黒い怪異が現われます。

4人で黒い怪異から逃げる方法について話していると高階の友人が住む家に到着しますが、友人は鍵を掛けていないのに出ることができないと言います。

その後、黒い怪異に遭遇した高階は空き地に逃げ込んだものの殺されてしまいました。

そして、黒い怪異は俯瞰してモノを見ているので、上に屋根などの遮蔽物があれば気付かれないということが明らかになるのでした。

崎村が屋根の下に隠れていると強風で屋根が吹き飛んだので、移動しようとした時に死んだはずの高階が「空き地にいてもダメじゃない！」と文字通り足を引っ張り続けたため、崎村も黒い怪異に殺されます。

ユメと和美は無事生還することができましたが、別の町で黒い怪異が発見されます。

海の家スタッフ（5巻）

ユメと和美は江口が経営している海の家で働きます。

そこで、2人は夏のビーチで異様な女がいきなり現われては消えるという噂を耳にしました。

場面が変わり、丸坊主の少年はフジツボまみれになって死んでいる友人を発見しますが、「かえったのか」と笑顔で語ります。

このように、奇妙なことが次々と起こるビーチですが、噂されている謎の女は昔海で行方不明になった江口の娘真弓であることが江口の口から明らかになりました。

ある日、ユメは匂いがしないくらい今日の夜は危険だから海に居ないで欲しいと江口に伝えますが、真弓の行方が分かるかもしれないと海に残ります。

しかし、江口は巨大な娘に飲み込まれてしまい「おおいなるもの」の実態を知ることになります。

江口は「おいなるもの」に屈服したふりをしたものの、「おおいなるもの」は見抜いており翌日の夜にはフジツボまみれにされてしまいます。

物語のラストシーンでは、フジツボまみれの江口を見たユメと和美は「江口さん、かえったのね。うん、良かった」と笑顔で語るのでした。

遺跡発掘調査補助員（7巻）

裏バイトの内容は、歴史上のどこかで存在していたと思われる人間の上位種族「異形人類」を発掘するというものです。

実は考古学者の平川は以前異形人類を見つけたものの、一瞬にして消えてしまったそうです。

発掘作業を開始してから間もなく、平川は自分そっくりの石像を発掘します。

それは、前の世界に存在していた平川の残骸であり、「不都合なことが起こると全て消し去られ、もう1度やり直される。歴史とは何度も修正されて、デザイナーによってデザインされたものだ」と伝えます。

真実を知った平川は何をしても無駄だと諦めますが、和美の「さっきまで無茶やってた癖にらしくねーな！」という言葉や熱意を持っていた頃の自分を思い出します。

平川は歴史を自分で壊して作り直すと奮起してデザイナーを破壊しようと考えますが、デザイナーの逆鱗に触れて歴史は一新されるのでした。

そして、ユメと和美はホテルのバイトをしていた世界線で物語は終了します。

特殊清掃員（8巻）

ユメと和美の2人は徳井と梨本と一緒に特殊清掃員の裏バイトに従事します。

部屋があまりにも綺麗なので和美は不気味に感じていましたが、嗅覚で怪異を察知できるユメはクローゼットから危険な匂いがするから絶対に手を付けないでと忠告します。

その後、窓から覗いていた女の人が「なかたりさん」と呟いたので、徳井は「なかたりさん？」と聞き返すと自分の腹に包丁を刺して死んでしまいました。

徳井の死体を回収して消毒液を噴霧した後、人が住めるようにするという目的のためにユメ・和美・梨本の3人は宿泊することで何も起こらないか確認します。

3人で夜を明かす中で、梨本は過去に通常の特殊清掃員の仕事をしていたことを語るのですが、どんどん様子がおかしくなり「なかたりさん」と呟きます。

その言葉を呟いた瞬間に部屋が真っ暗になり、ユメと和美が明かりをつけるとクローゼットから梨本の死体が見つかります。

最終的にユメと和美は生還することができたものの、警察官から24個の部屋から見つかった38体の遺体を清掃するように言われるのでした。

テーラー(販売員スタッフ)（11巻）

ユメと和美はスーツ専門店の「テーラー渥美」の裏バイトに潜入します。

渥美は人と会う予定があるため、ユメと和美に「麗賓倶楽部」のパーティーに行って欲しいと頼みます。

渥美は高木という人物と会っており、「肉皮剥離薬」を飲ませることにより殺害します。

一方で、2人は渥美からパーティーで聞いて欲しいと言われていた有坂嶺の存在について参加者に尋ねますが、クスクス笑われて相手にされない様子。

また、ユメと和美がその場を立ち去った後、有坂嶺について聞かれた参加者達の口から渥美の奥さんである真由美は渥美に殺されたという衝撃の事実が飛び出すのでした。

そして、2人が収集した情報を基に嶺の所在地を知った渥美は嶺を訪ねますが、嶺は「肉皮剥離薬」と投与されて人皮スーツに加工されていることを理解し絶望します。

最後の場面では、渥美は人皮スーツの制作者である宮内達を縄で縛って殺害するのですが、その直前に渥美の人皮スーツを被った真由美であることが明らかになります。

【裏バイト:逃亡禁止】難解なストーリーをネタバレ考察

次に、上記の複雑なストーリーを考察した内容をそれぞれまとめてみました。

マー君と黒い怪異の謎（空き地探し）

4巻の空き地探しにおける一番の謎はマー君と黒い怪異についてですよね。

早速結論ですが、マー君が黒い怪異を操作していたと考えられます。

1つ目の理由は、マー君がだぁという言葉を発すると同時に裏バイターは黒い怪異に襲われており、マー君の側に黒い怪異によく似た絵が飾られていました。

2つ目の理由は、マー君が黒い怪異に酷似したぬいぐるみを用いて模型人形をバラバラに破壊するシーンがあるのですが、同時刻に黒い怪異が裏バイターを襲います。

また、物語の終盤で崎村と高階が家に閉じ込められている描写がありました。

つまり、黒い怪異に襲撃された人達は家に閉じ込められて出れなくなってしまうことが分かると思います。

物語の最後には、虐待した上に隠し子を空き地に埋めた老夫婦が今度は自分達が空き地に埋められた話が出てきますが、黒い怪異という悪霊と化した隠し子が復讐したと考えると辻褄が合います。

そして、マー君が黒い怪異を操作して一連の事件を引き起こしたという可能性が最も高いでしょう。

「おおいなるもの」と江口の結末について(海の家スタッフ)

江口の娘真弓が行方不明になった時に、警察官は「かえったんだって？娘さん。良かったね～」と江口に話しかける描写があるのですが、江口は海に潜む何かに操られているのではないかと気付きます。

また、他の人達は友人がフジツボまみれになっても気にも留めない一方で、江口は娘が行方不明になったことを認識していることからも「おおいなるもの」に抗っていることが分かります。

作品の後半において、真弓に飲み込まれて「おおいなるもの」の実態を知った江口ですが、ここでは「おおいなるもの」に屈服したふりをしていました。

実際、翌日の夜に「おおいなるもの」が作った真弓と会った際に、「何で俺は助かったんだ？」と真弓に聞いています。

もし本当に「おおいなるもの」の影響を受けていたならば、発さないセリフですよね。

「おおいなるもの」は認識改変・人間の作成など神のような能力を宿しており、本当に屈服したのか確かめるために敢えて江口に自由行動をさせたことからも作中でもトップクラスに強力な怪異です。

ラストシーンでは、ユメと和美がフジツボまみれになった江口を見て「江口さん、かえったのね。うん、良かった」と笑顔で呟きます。

つまり、怪異に命を奪われそうになっても何度も生還してきたユメと和美でさえ「おおいなるもの」の影響下に置かれてしまったことを暗示しています。

「デザイナー」と世界修正について(遺跡発掘調査補助員)

そもそも、世界が修正されるきっかけになったのは平川が「デザイナー」を発掘したためです。

そこで、「デザイナー」は平川を殺し、「平川はデザイナーを発掘していない」という世界線に書き換えました。

平川が「デザイナー」を発掘しなかった世界線に修正するために、「デザイナー」は卑弥呼が処刑されて伊藤博文が安重根を素手で撃退したと過去を塗り替えます。

また、平川がユメと和美に「以前、デザイナーを発掘した」と語っていたことからも部分的に記憶が残っていますし、まだ「デザイナー」が全力で世界を修正していないことが分かります。

しかし、物語の終盤においてユメ・和美・平川の3人がデザイナーを破壊しようとしたため、デザイナーは激怒し先程よりも圧倒的に強いパワーで世界を修正します。

そして、卑弥呼は邪馬台国の支配者になり伊藤博文は安重根に暗殺された他、日本は地形が変わっていました。

物語のラストシーンでは、ユメと和美はホテルのバイトに従事していましたし、遺体発掘は過去の世界線と共に抹消されたことが明らかになりました。

このように、「デザイナー」は認識改変に加えて世界の創造や歴史の修正という能力を持っているため、「おおいなるもの」よりも力を持った神の如き上位存在です。

「なかたりさん」と梨本について(特殊清掃員)

今作の生存条件は「なかたりさん」と口にしないことです。

ただ、アパートの生霊達が集まっている描写からも生霊が様々な手を使って「なかたりさん」と言わせようとしていることが分かります。

実際、徳井は生霊に「なかたりさん」と言われたことでうっかり「なかたりさん？」と返答したので自殺してしまいましたし、死亡後は「なかたりさん」と言わせようと誘っていました。

警察官も「なかたりさんなので死体を回収してください」と意味不明なことを言っていましたし、生霊の可能性が高いでしょう。

また、ユメと和美が無事に生還した後は小汚い部屋が露わになったことからも、部屋が非常に綺麗なのは「なかたりさん」が裏バイターの警戒心を解くべく幻覚を見せていたと考えられます。

つまり、虫が死体に群がる様子や徳井の死体などが赤塗りで描写されていましたが、「なかたりさん」の幻覚から外れた真実を映しているのでしょう。

物語中盤において、クローゼットに「なかたりさん」と思われる怪異が出現したものの、本来は梨本の死体が入っているはずです。

梨本は「なかたりさん」に魅入られて既に死んでいましたが、他の生霊とは異なり「なかたりさん」と言わせようとする描写はありませんでした。

そのため、生前は通常の特殊清掃員に従事していましたし、死後も死体清掃に取り組んでいる中立的な存在であると考えられます。

複雑な時系列と渥美と真由美が入れ替わったタイミングについて(テーラー)

話の流れが分かりにくいことがストーリーをより複雑にしていると考えられるので、考察を交えながら時系列順に話を整理していきます。

渥美と真由美の会話や「麗賓倶楽部」の渥美は当初無名だったという言葉から、渥美には才能が無かったことや「肉皮剥離薬」を使わずに人皮スーツを制作できる真由美への劣等感があったと考えられます。

その後、「肉皮剥離薬」を開発したMTKコーポレーションは絶大な権力を誇る「麗賓倶楽部」への売り込みを画策しますが、人皮スーツの制作は難しい様子。

そして、渥美は人皮スーツの制作を了承すると共にMTKと繋がっている高木は真由美の妹嶺を実験台にしようと提案します。

このように、それぞれメリットがある渥美・高木・MTKは共謀しますが、真由美は勘づくのでした。

真由美が渥美を激しく叱責するシーンの最後に渥美が「肉皮剥離薬」を取り出したため、読者は真由美殺害のシーンだと認識しますが、実は真由美が返り討ちにしていたということですね。

真由美は人皮スーツに加工した渥美の皮を被り、高木とMTKに真由美が殺されたと嘘を付くと共に嶺の情報を集めるべく裏バイターのユメと和美を雇います。

嶺の殺害に関わっていたと分かった高木を殺害し、さらなる情報を求めてユメと和美をパーティーに送り込んだ訳ですが、2人が参加者から嘲笑されたのは既に人皮スーツに加工された嶺の所在を聞いていたからだと考えられます。

人皮スーツのことが外部に漏れるのを恐れた「麗賓倶楽部」の参加者達は、2人を再起不能にしようと考えて奥羽邸に送り込みますが、奥羽はそこまで悪人でもない様子。

渥美の皮を被った真由美はユメと和美から嶺の所在に関する情報を貰い、嶺の死は覚悟していたものの現地へと足を運びます。

そして、真由美が号泣したのは嶺が人皮スーツに加工されていたという事実を目の当たりにしたからですね。

物語のラストシーンにおいて、真由美はMTKの宮内達を殺害し、敢えて粗末に作成した彼らの人皮スーツを品評会で提出することで渥美への復讐も完遂するのでした。

まとめ

今回の記事では、裏バイト:逃亡禁止の中でも特に難解なストーリーのネタバレ考察についてまとめてみました。

考察をした上で読み直すと1回目とは違った面白さを感じることができるので、ぜひ試してみてくださいね。